理学療法科
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理学療法科
理学療法科
理学療法について
理学療法は、身体の機能に何かしらの障害が生じた患者様に対して、日常生活における基本的な動作(起きる、立つ、歩くなど)を行いやすくするために、医師の指示のもと身体運動や様々な治療機器を用いる治療法です。それにより筋力、関節可動域の向上や痛みの緩和といったそれぞれの患者様がもっている身体機能の最大回復を目指しています。
運動療法
運動に関係する筋、神経、関節及び呼吸循環系の機能を回復するために行う運動です。主な運動は以下になります。
関節可動域運動
肩、肘、膝、股関節といった関節の動く範囲を増やすことを目的とした運動です。
例えば、歩くためには、膝が十分伸びること、靴下をはくには股関節が十分曲がることが求められます。病気により動く範囲が制限された関節を医学的知識や技術を利用して改善していきます。
筋力増強運動
歩くためには下肢や腰の筋力が必要です。日常生活や仕事では握力や上肢の筋力を必要としています。病気により筋力が低下した方に、回数、時間、負荷の量など適切な運動を行うことで、その方の筋力を改善していきます。
持久性運動
筋力は強い力だけではなく、長い時間運動を続けることも生活では求められます。それには筋肉だけではなく肺機能や心臓血管機能も必要です。歩行や一定の動作を長い時間、疲れが少なくできるようにするため、持久性運動を行います。
協調性運動
運動を行うためには、様々な筋が適切なタイミング、組み合わせ、順序で働く必要があり、それを失うとバランスの低下や運動を円滑に行えません。安定して体を支えることや滑らかな動作を獲得するため、目的とした動作を繰り返し行うことや、一定の位置で体を止めておくなど協調性運動を行います。
全身調整運動
病気やケガにより長期間ベッドで寝ていると、若い人でもめまいがあり急に起き上がるのは難しくなります。これは血圧の調整など全身の生理的機能の低下が原因です。そのような方に座る、立つ、歩くといった動作を通じて、肺や心臓に対する負荷をかけ、機能を改善していくことを全身調整運動といいます。
装具療法
疾病や骨折による四肢の後遺症、疼痛予防や関節変形の予防を目的としています。装具を作製することで身体機能の回復を促したり、身体機能の低下を防止することができ、日常生活や社会復帰の補助になります。医師・担当療法士・義肢装具士連携の基、作製まで導きます。装具にかかる費用は、用途や使用目的に応じて様々な制度のもとで公的な補助が受けられます。詳しくは、装具作製の検討段階でご説明しています。
物理療法
当院では患者様の状態や症状に合わせて、様々な治療機器を利用して理学療法を提供しています。
温熱療法
ホットパックは体の表面を、極超短波治療器は体の深部を温めることで、関節痛や循環障害、関節リウマチなどの患者様に対して、疼痛を和らげたり、循環を改善させたりしています。
パラフィン浴は、パラフィンの持つ熱の伝わりやすさを利用して関節を温めることで、関節リウマチや骨関節症などの患者様の疼痛を軽減したり、筋緊張を緩和したりするなど、効果的な治療法です。
電気刺激治療
体に電流を流すことで筋肉を動かし、痛みの緩和や疲労の回復、血行の促進などが図れます。低周波治療は比較的浅い部位に刺激を与え、循環を改善し疼痛を軽減します。中周波治療は深部に刺激を与えることで、筋肉を刺激することで緊張を緩和し、全身のコンディションを調整します。
牽引療法・プロテック
脊椎牽引療法では頸椎・腰椎などの変形性脊椎症や椎間板ヘルニア、脊椎に起因する症状の患者様に疼痛軽減や循環改善、筋緊張緩和のために提供しています。プロテックは腰部に上半身の重さがかからない状態を保ちながら腰や足の運動が行える治療機器です。腰部にある深層筋から浅層筋までまんべんなくストレッチできるため、筋肉の緊張を調整したり、血流を促進したりすることで腰痛を軽減できる治療機器です。
水中運動療法
入院患者様に対して、温泉を使用したプール(約34~37℃)の中で実施するリハビリテーションです。水の中では浮力が働くため、痛みが強い方や筋力・体力の無い方でも、負荷量を調整しながら、歩行練習を実施することができます。また、水中で身体を動かすことで、水の抵抗による筋力強化や、水圧によるむくみの改善などが期待できます。脳卒中、脊柱・下肢の術後、リウマチ、廃用症候群などの方に対して実施しています。
当院水中運動療法では、自主クラス(自主的に歩行練習や体操などをおこなう)、集団クラス(理学療法士の指示の元、集団で体操や歩行練習などを疾患特性に合わせて実施する)、個別クラス(理学療法士による個別リハビリ)の3つのクラスを設け、患者様の状態に合わせた水中でのリハビリテーションを提供しています。
運動療法室
運動療法室では、当院を利用される患者様や近隣地域の高齢者の方々の健康増進に寄与するため、健康運動指導士、理学療法士がリウマチ体操やパワーリハビリテーションなど集団での運動療法を提供しています。
リウマチ体操
自分自身で全身の関節を各方向にくまなく動かし、関節の動く範囲の維持・拡大を図り、上下肢を保持または負荷を与えることによって、筋力の維持・増強・耐久性の改善を目的に行なう体操です。椅子での体操、棒体操、リズム体操、ストレッチ体操などを行ないます。
パワーリハビリテーション
マシーンを用いて低負荷・高頻度で身体を動かすことにより身体的、精神的、心理的、社会的な機能向上を目指す運動です。6種類マシーンを用いて上肢・下肢・体幹を動かし、普段使用していない筋肉を動かします。
基本的動作訓練
起きる、座る、立つ、歩く、体や手足を曲げたり伸ばしたりするといった人間にとって基本的な動作の訓練です。寝返り、起き上がり、ベッド上の移動、立ち上がりなどの動作訓練と車いすへの移乗、歩行などの移動訓練を行います。
疾患別リハビリ内容について
脳血管疾患に対する理学療法
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の患者様に対して理学療法を提供しております。
当院では発症から1-2ヶ月経過した患者様を中心に理学療法を実施しております。
回復期リハビリテーションでは365日約30人の理学療法士を配置し、集中的な関節可動域運動や筋力増強運動、歩行練習など運動を中心とした集中的な個別リハビリテーションを提供しております。まず身体の状態を把握するために麻痺の程度や基本的動作状況の確認を行い、個別プログラムを立案します。その後は患者様およびご家族の目標に到達するよう理学療法を開始します。主な目的は障害を受けた身体機能の制限に対して、起きる、立つ、歩くなどの基本的動作獲得を目標に支援を行います。自宅生活が安全に営めるよう手すり設置など介護用品の使用に対するアドバイスも行っております。
整形外科疾患に対する理学療法
脊椎手術患者、人工関節手術患者、日常生活での転倒や事故により手足を骨折し手術された患者様に対して理学療法を提供しております。
まずは身体の状態を把握するために筋力や関節の可動範囲、姿勢や歩行状況の評価を実施します。評価結果から目標達成に向けた個別のプログラムを立案し、筋力増強運動、バランス、歩行練習などの運動を実施します。退院後も身体機能の維持や回復に向け自主トレーニング指導にも力を入れております。
関節リウマチに対する理学療法
当院では関節リウマチへの治療に50年以上携わっている歴史があり、先代から受け継がれてきたノウハウを活かして患者様に関わっております。
関節リウマチ治療の柱の1つに「リハビリテーション」があり、主な介入目的としては、関節変形や身体機能低下の予防、痛みの軽減です。理学療法では1対1の個別リハビリや集団体操、温熱療法や水治療法など1日に様々なサービスを提供しております。また、必要に応じて装具療法も実施しております
個人が望まれる日常生活動作や社会活動が実現できるよう理学療法を提供しております。